【日本獣医生命科学大学】糖尿病動物では感染症に注意!!

今回紹介する症例は、足の傷口から感染し、全身性に症状が現れた糖尿病ネコの症例です。

初診の様子

図1は本症例の初診時の右後肢の写真です。

食欲低下と後肢の踏ん張りがきかないとの主訴でした。
また、右後肢に腫脹と触診における疼痛が
認められました。レントゲン検査で骨に明らかな異常は認められませんでした。

右後肢の腫脹部に針を刺し、吸引したところ膿性の液体が認められ、顕微鏡で観察したところ多数の球菌と好中球とが認められたため、細菌培養検査に出しました。

図1.初診時の右後肢

検査の結果、連鎖球菌が認められ、抗生物質の薬剤感受性試験の結果は表1のようになり、治療としてセフメタゾール25mg/kgを1日3回で静脈内投与しました。

表1.抗生物質の薬剤感受性検査結果

経過観察

図2.抗生物質投与後2日目
だいぶ赤みと腫れがひいています。

図3.抗生物質投与後3日目
さらに赤みと腫れがひいています。

図4.抗生物質投与後5日目
自力で立つことが可能となりました。

この頃には全身状態も良化し、食事も自力でとることができるようになりました。

7日目まで入院して抗生物質を投与し、その後は内服での抗生物質の投与に切り替えました。その後の経過は良好となり、本学での治療は終診となりました。

まとめ

糖尿病の動物は高血糖により感染しやすく、さらに免疫機能も低下しているため、感染が起こった場合には悪化もしやすいです。

その際は、病変からの菌の採取とその培養を行い、適切な抗生物質の投与を行う必要があります。

また、糖尿病動物を入院、管理する際はしっかりと消毒や毛刈りを行い、感染に対して配慮する必要があるでしょう。

 

日本獣医生命科学大学 森昭博、左向敏紀

 

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