【鹿児島大学 桃井先生】血糖値の恒常性 インスリノーマは谷あり山あり1

自然環境とは・・・

まだまだ暑いですね。これも地球温暖化の影響でしょうか。今年も鹿児島は暑かったです。夕方にはスコールが来襲します。夕立ではなくてたぶんスコール。ほぼ熱帯?という感じです。

地球の自然環境は、海水や対流機構によって急激な環境変化を和らげてくれることが多いみたいです。でも人間のためにやってくれるわけではありません。地球の兄弟星である金星はなんと400℃以上と灼熱です。地球だって数億年前には氷河期になって全球凍結したことがあるそうです。やりすぎ。自然は手加減なし、です。人間は生き延びたいなら賢くならないといけないと思います。

一方で、動物の体はそうではありません。生きるために生体内の環境を一定に保とうとするすごいメカニズムが備わっています。ホメオスタシスというやつですね。

血糖値もそうです。「糖分は頭の栄養」というのはとある有名なクマさんの言葉ですが、脳の活動には糖分が必要なので血糖値が常に一定レベル以上になるようにしっかりと糖分を作り出しています。

今回は、そんな血糖値コントロールのメカニズムの頑張りがよくわかるインスリノーマのティアラさんのお話です。

インスリノーマの症例

ティアラさんは5歳齢で痙攣発作を主訴に来院されました。とても愛されているキャバリアさんです。

調べてみると低血糖でインスリン濃度も高くて膵臓付近に腫瘤がある。そう、インスリノーマでした。ちょっと若めの発病です。

インスリノーマはわりと転移しやすい腫瘍です。そのため手術による根治は難しいですが、不完全でも腫瘍を切除してボリュームを小さくすると低血糖がコントロールしやすくなり、予後も改善できるとされています。

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