イヌとネコの糖尿病の症状
糖尿病の典型的症状は多飲・多尿です。
これは血糖値がブドウ糖の腎閾値を超えると尿糖として出現し、浸透圧利尿を引き起こすことで生じます。
特に腎閾値の2倍を超えると(イヌで360mg/dL、ネコで450mg/dL)、臨床症状は明確になります。
図1.糖尿病の発症機序(イヌ)
よくわかる生理学の基礎 カラー図解/アガメムノン・デスポプロス/ステファン・シルバーナグル(メディカル・サイエンス・インターナショナル)より引用
多尿のために体内の水分が減少し(脱水)、その緩和のために水分補給を求め多飲が引き起こされます。
夜中のトイレ回数の上昇、尿排泄時間の増加、尿量増加によりオーナーが発見することも多くあります。
飲水は代償作用であるため飲水制限は禁忌です。
飲水制限により、脱水、腎前性腎不全、虚脱、昏睡を引き起こすことがあるので注意が必要です。