【東京大学 桃井先生】分子標的薬と免疫療法:獣医療でのがん治療はどこに進むのか・・・①

ヒト医療におけるがん治療も、免疫療法の台頭で変化してきています。獣医療でのがん治療も同様に変わっていくのでしょうか?今回は、がん細胞の「識別」という点に注目して解説し、私見も交えながら今後の獣医療の変化を考えてみようと思います。

伝統的ながん治療:識別と攻撃

がん治療では、がん細胞をなんらかの方法で「識別」し、除去します。例えば多くの抗がん剤はがん細胞の「増殖が早い」という特徴を識別して、細胞を死滅させます(なので増殖が早い正常細胞も巻き込まれ副作用が出ます)。手術では、外科医が肉眼的にがん組織を識別して、切除します。放射線治療では、CTなどの位置情報からがんを識別して、放射線でがんを焼きます。

小分子型の分子標的薬の一般化

新しいがん治療はどのようにがんを識別するのでしょうか?
まず小分子型の分子標的薬からです。

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