インスリン製剤の種類と特徴~AAHAの糖尿病治療ガイドライン2018から

2016年、プロジンクが日本で初めて動物用インスリン(ネコ用)として認可されました。プロジンク以外にも4種類のヒト用インスリンを、イヌやネコの糖尿病のコントロールに使用することができます。

そこで今回は、各インスリン製剤の特徴について、AAHA(アメリカ動物病院協会)が2018年に発表した糖尿病治療ガイドラインを参考にご紹介いたします。それぞれの特徴や注意点を理解し、うまく使い分けをしてみてください。

日本で使用可能なインスリン製剤

現在、日本で発売されているインスリン製剤には、インスリングラルギン(ランタス)、PZI(プロジンク)、NPH(ノボリン、ヒューマリン)、デテミル(レべミル)の4種類(5商品)があります。この中で動物用に認可が下りているのはプロジンク(ネコ用)のみで、他のインスリンはすべてヒト用のインスリンを動物に使用することになります。

AAHAのガイドラインによると、イヌのインスリン治療にはVetsulin(イヌ用インスリン・日本未発売)かNPH(ノボリン、ヒューマリン)、ネコのインスリン治療にはプロジンク、ランタス、レベミルが使われることが多いようです。

日本ではVetsulinが未発売であり、小型犬にはランタスが用いられるケースもあります。レベミルもイヌに用いることは可能ですが、作用が強く出ることがあるため注意しなければなりません。また、プロジンクはイヌに対する作用時間が長いため、イヌによってはプロジンクの1日1回投与によって糖尿病のコントロールが可能になることもあります。

インスリンの種類とその特徴

以下の表は、AAHAのガイドラインからの抜粋です。それぞれのインスリン製剤のピーク、持続時間、推奨用量は以下の通りです。

表1.インスリン製剤の種類と特徴

まとめ

現在、日本で使用が可能なインスリンは、「ランタス」「プロジンク」「ノボリン」「ヒューマリン」「レベミル」の5種類です。一般的には、ネコにはランタス・プロジンク・レベミルのいずれか、イヌにはノボリンやヒューマリンが多く使われます。

インスリンの効果には個体差が多く、ある種のインスリンで効果がいまいちでも、他の種類を試すことで良好なコントロールができることもあります。それぞれのインスリンの特徴を知って、その動物に合うインスリンを使えると良いですね。

獣医師K

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