前回、前々回に引き続き、日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室第二 宮川優一先生に動物の腎臓病に関する記事を執筆いただきました。
連載形式で、腎臓病に関する様々なお話をお届けしています。
今回は、蛋白尿と糸球体疾患のお話です。
蛋白尿の重要性と糸球体疾患の治療
蛋白尿は、慢性腎臓病での重要な診断マーカーですが、蛋白尿が重要である理由は大きく2つあります。
1つは糸球体疾患の存在を示すということ、もう1つは蛋白尿が腎臓病の進行に直接関与するということです。
UPCで糸球体疾患を評価する
腎臓の糸球体は、毛細血管として特殊な構造を持っています。糸球体毛細血管は血液を濾過しますが、その際により大きな蛋白質を漏出しないように3層の濾過障壁を持っています(図1)。
図1. 糸球体毛細血管の構造の模式図
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