myRNAシリーズ②:イヌのがん検査の種類と進化

このmyRNAシリーズは、イヌのがんに関する特集です。

前回は、近年の伴侶動物腫瘍を取り巻く状況についてお話ししました。
今回はがんの検査の種類とその目的などについて改めて振り返ります。

がんの発見のきっかけになる検査とは

イヌのがんは、飼い主さまが愛犬の体調の変化や鼻血や血尿、体表のしこりに気づいたことをきっかけに発見されることが多いです。
また、定期的な予防や健康チェックで病院を受診したときに実施された検査で偶発的に発見されるケースもあります。

イヌの“がんの疑い”に対して、現状行われる一般的な検査を挙げてみます。
◇X線検査     :胸部・腹部の腫瘤や転移の確認
◇超音波検査   :腹腔内臓器の病変評価
◇CT / MRI     :腫瘍の局在・広がりの精査
◇細胞診・組織生検:確定診断
◇血液検査    :臓器機能や全身状態の把握

一方で、次のような課題もあります。
◆侵襲性や麻酔リスクがネックになる
◆飼い主さまの心理的・金銭的負担が大きい
◆部位によっては検体採取が困難
◆微小病変は画像で描出されにくい
◆複数検査で時間と費用が増える

このような課題に対応し、がんの早期発見・早期治療に繋げるため、さまざまな研究がなされています。

最新のがん検査事情

近年注目されているのが、血液などから腫瘍由来分子(DNA・RNAなど)を解析する検査=リキッドバイオプシーであり、動物医療でも利用され始めています。

採血のみの低侵襲で、分子情報という、画像や一般血液検査とは異なる軸の情報を得ることができます。
また、採血のみであるため再検査しやすく、経時変化の評価に向いています。

ただ、これのみでがんを診断するものではなく、あくまでも従来の検査の補完的な役割であることは念頭に置いておきましょう。

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改めて、がんに関連する検査をまとめました。

【主要検査一覧】

検査種別 主な内容 メリット デメリット
X線(レントゲン) 胸部・腹部・骨などの二次元画像 骨・肺・大きな腫瘤評価に有用/普及度が高い/短時間 軟部組織や小病変は分かりにくい/被ばくあり
超音波(エコー) 腹腔内臓器をリアルタイム観察 被ばくなし/肝・脾・腎・膀胱・子宮などに強い/普及度が高い 術者依存/肥満・ガスで見えにくい/単独では確定しにくい
CT 断層画像(胸腹部・頭頸部など) 肺転移や広がりの評価に優れる 麻酔・鎮静が必要なことが多い/高額/施設が限られる/被ばく多め
MRI 脳・脊髄・軟部組織の高コントラスト画像 脳腫瘍・脊髄腫瘍・鼻腔腫瘍などに有用 全身麻酔が必須/高額/施設が少ない/時間が長い
内視鏡 消化管など内腔観察+生検 開腹せず観察・採材/消化管腫瘍・ポリープに有用 全身麻酔が必要/到達困難部位あり/施設が限られる
細胞診(針吸引など) しこり・リンパ節から細胞採取 低侵襲・短時間・比較的安価/スクリーニングに有効 情報量が少なく確定できない腫瘍も多い/判定不能あり
生検(組織検査) 切除または一部採取し病理検査 種類・悪性度の確定が可能/治療方針に直結 侵襲大/出血・感染リスク/費用と日数がかかる
リキッドバイオプシー(例:myRNA DOGs) 血液中の腫瘍関連分子(RNA等)を解析 採血のみ/低侵襲/再検しやすい/従来検査の補完 確定診断の代替ではない(画像・病理と統合が前提)

まとめ

「イヌのがんを早期発見したい」という想いは、獣医療に関わるみなさま、そして飼い主さまに共通する願いではないでしょうか。

医療技術が発展し、様々な検査を行うことが可能となり、病気の発見の速度や診断の精度は向上しています。

しかし、ひとことに「検査」といっても、それぞれに得意不得意やメリットデメリットがあります。
それぞれの特長をきちんと理解し活用することが重要です。

検査技術が発展しているとはいえ、がんは臨床症状の”気づき”に依存する部分が大きいです。
この課題については次回以降で詳しくお伝えします。

監修:アークレイマーケティング株式会社 学術サポートチーム

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