平成28年度の一般社団法人 ペットフード協会の調査で、イヌの平均寿命は14.19歳、ネコの平均寿命は15.33歳という結果が報告されています。年々平均寿命が延びていますね。
地域によってはペットの「長寿表彰」をしているところもあり、いつも微笑ましく見ています。
このように長寿になってくると、イヌやネコでもヒトと同じく「生活習慣病」に罹るコが増えているのも事実だと思います。中でも「糖尿病」は、一部のネコを除きほとんどは長い付き合いになる疾患です。
糖尿病と診断されてからは、日々のインスリン注射、体調管理、定期的な通院などなど・・・、飼い主さまの生活リズムは大きく変わることでしょう。
そんな中で、うまく病気と付き合っていくにはどうすればよいか大きな課題となります。
飼い主さまによって、自身の飼っているイヌ、ネコへの想いのかけ方はさまざまですし、治療に対する考え方もまったく違ってくると思います。
飼い主さまと、糖尿病とわかったイヌ、ネコにとってベストな選択は何なのか?を模索していくことはお互いにとってとても大切なことではないでしょうか。
治療方針に関わってくる飼い主さまのライフスタイルとは?
飼い主さまの環境によって、治療の開始の仕方やインスリン量については考慮が必要となります。
例えば、厳密に血糖値を管理したい、という希望に沿って治療方針を立てたとしても、インスリン注射後の一番血糖値が下がる時間帯に低血糖発作を起こしていないかどうか様子を見ることが可能なのか?、すぐに対処できる状況なのか?の確認は重要です。
これ以外にも、飼い主さまのライフスタイルに関わる項目について確認しておいた方が良い例を挙げさせていただきます。
家族構成
ひとり暮らし?、家族と同居?、協力を得ることができる人がいるのか?など、そのコに関わることができる人がどのくらいいるのか。
仕事スタイル
規則正しい?、シフト制?、在宅?、そのコの様子をどのくらいの時間みることができる環境なのか。
治療に対する考え方
インスリン量がどのくらい必要で、1日何回打てばベストなのかはそのコによって違いがあります。これは血糖曲線を引き確認していく必要がありますよね。
一番の理想パターンや、難しいならどこまでが可能なのかを飼い主さまとの会話を通して探っていかなければなりません。
また、自宅での管理についてどこまでしたいのかという要望もあるかと思います。
費用
フードや定期的な検査、インスリンなど、今後かかってくるであろう費用についてもご相談をしておくと良いと思います。
まとめ
糖尿病は基本的に一生付き合っていかなければならない疾患です。継続して治療をしていただくためにも、飼い主さまのご理解とご協力は不可欠です。
少しでも良い状態を長く維持できるように、同じ目標に向かって共に歩んでいく関係を作っていけると良いなと心から感じています。
動物看護師M
糖尿病と診断されたコに対するカウンセリングシートもダウンロード可能です。
→https://biz.arkray.co.jp/animal_blog/login.aspx