【いまさら聞けない!シリーズ】ダックスフンドのヘルニアなどの気をつけたい病気

ダックスフンドは胴長短足で非常に愛らしい外見ですが、かつては狩猟犬として活躍していたこともあり、かなり活動的な犬種です。その特徴的な体形の背景には、全身の軟骨の変性を起こす素因を持っていることが原因とされています。これを病気という視点からみると、椎間板ヘルニアの好発犬種という、飼い主さんにとっても非常に怖い病気になるリスクを背負っていることにもなります。今回は、ダックスフンドの飼い主さんに対してお伝えしていただきたい要注意な病気として、ヘルニアがどんな病気なのか、そしてその日常的な予防法について解説します。

ヘルニアってどんな病気?

ヘルニアは、体内のある臓器が本来あるべき場所から異なる場所へ飛び出る病気です。したがって、椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある椎間板が飛び出して脊髄神経が圧迫されて起こる神経の病気です。原因としてわかっているのは、激しい運動など何らかの強い外力が加わることや、歳とともに椎間板が脆くなることが挙げられます。初期症状としては、脊髄神経に椎間板が触れることで痛みが生じたり、軽度の麻痺が生じたりしますが、重度になると完全に足が麻痺してしまい、立ち上がることや排泄も自分でできなくなってしまいます。

予防方法は?

予防方法は主に3つ。肥満にならないように適正体重をキープすること、背中が弓なりになるような抱っこの仕方はしないこと、階段やソファーの上り下りなど段差運動をなるべく控えることです。肥満にならないためには、適度な運動に加えてご飯やおやつを与えすぎず、定期的に体重を測り記録していくことで管理していきましょう。適切な抱っこの仕方としては、地面に対して背骨が水平になるように胸とお尻に手を入れて、体全体を支えるようにすると安定します。いずれも日常的に気を付けることで発症のリスクを減らすことが可能です。

まとめ

「朝は大丈夫だったけれど、仕事から帰ってきたら後ろ足が動かない」など、椎間板ヘルニアは急に起こることが少なくありません。また、排便後に急に後ろ足が動かなくなったケースもあるなど、予防が第一とはいっても日常生活において腰に負担がかからない行動には限界があるのも事実です。発症したとしても早期に治療できれば、回復する可能性の高い病気でもあります。そう考えると、普段から愛犬の状態をよく観察し、痛みや歩行の異常を飼い主さんが早期に発見してあげられるように注意喚起していくことが、何よりも大切なのかもしれません。

獣医師D

【いまさら聞けない!シリーズ】フェレットの病気:インスリノーマ