糖尿病のネコにおける基礎疾患・併発疾患

ネコの糖尿病は原因によって治療が異なるため、適切な基礎疾患や併発疾患を管理することが重要です。管理さえできれば長期予後は良く、糖尿病の治療がいらなくなることもあります。なかでも、症状から診断が難しい慢性膵炎が原因で糖尿病になることが多いとされているため、基礎疾患や併発疾患の特徴を知っておくことが大切です。糖尿病を診断した際はこれらを除外するように意識していきましょう。

 

糖尿病の原因は圧倒的に慢性膵炎によるものが多い?

ネコの糖尿病は大きく分けて、2型糖尿病に近いもの、慢性膵炎によるもの、医原性によるものと3種類が考えられています。なかでも慢性膵炎によって膵島が壊れインスリン不足になることで糖尿病を発症しているケースがかなりの多いのではないかと言われています。慢性膵炎は症状が非特異的なことが多いため、症状から診断するのは困難です。糖尿病を診断したら必ず膵炎が無いかどうか、血液検査や画像検査などで確認するべきです。

 

その他の基礎疾患

膵炎以外の基礎疾患としてクッシング症候群があります。イヌに比べると頻度は低いですが、下垂体性クッシング症候群の場合ほとんどの場合で糖尿病を併発します。

先端巨大症は、下垂体ホルモンの分泌過剰によるインスリン抵抗性が原因となりし糖尿病を併発します。副腎腫瘍はエストロゲンやプロゲステロンが過剰分泌されることで糖尿病を引き起こします。また、医原性としては、ステロイドをはじめとする薬剤によるインスリン抵抗性が原因となり糖尿病になることがあります。

 

糖尿病猫の併発疾患

ネコの糖尿病の原因となる併発疾患はたくさん挙げられます。感染症・腫瘍・甲状腺機能亢進症・皮膚疾患・血液疾患・泌尿器疾患・消化器疾患・歯科疾患など様々ですが、基本的にはストレスが関与するものです。ストレス自体がカテコールアミンやグルココルチコイドなどを誘発することでインスリン抵抗性を示します。そのため、併発疾患が重度であるほど、インスリン抵抗性は増し糖尿病は悪化していきます。

 

まとめ

ネコの糖尿病はイヌの糖尿病と少し異なります。慢性膵炎が原因になっているものが多いとされているので、糖尿病を診断したら膵炎の有無は調べるようにしましょう。その他の基礎疾患や併発疾患もきちんと診断・治療することで、血糖値をうまくコントロールできるだけでなく、糖尿病の治療が必要なくなることもあります。症状からは診断できないこともあるので、糖尿病と分かった時点で基礎疾患や併発疾患を除外するように意識することが大切です。

獣医師T

 

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