血糖値だけ測定したいんだけど…
代表的なシーンはやはり糖尿病のコの血糖曲線を引くときでしょうか。そのほかにも、子犬や子猫の痙攣発作時やぐったりしているときなどの、低血糖疑いのときもあると思います。
そんなとき、どうしていましたか?低血糖なのか?そうではないのか?
多くの動物病院では、何とかして静脈採血をしたり、ヒト用の簡易血糖測定器を使っておおよその血糖値を測定しておられます。
負担を少なく検査をする
近年、動物専用の装置が増えてきており、体の小さな動物にとって負担の少ない検査、かつ、「動物用」という、人用の装置の流用をしてきた歴史が変わりつつあります。
やはり、動物種によって検査結果に差が出てしまうことがあるためです。動物の医療に求められる質が上がってきている証拠だと思います。
人ではあたり前になっている簡易血糖測定器についても、「動物用」のものが発売されています。ゴマ粒大の血液量で血糖値が正確に測定できるようになりました。
さて、「ゴマ粒大」の血液・・・。皆様、どうやって採血されていますか?
採血方法、ちょっと見直してみませんか?
ゴマ粒大の血液を採取する方法は、何通りかあると思います。
静脈採血ができるのであれば、問題ないですよね。十分な血液量が採れていると思われるので、そのまま測定するか、シリンジと針の間に残った血液で測定されているところもあります。
その他の手段としては、耳や肉球などから採取する方法があります。この場合、どうしてもしてしまいがちなことがあります。それは、「血液を絞り出す」ことです。
穿刺具や細いゲージの注射針で突いてみたはいいけれど、血液がなかなか出てこない・・・。そんなとき、まわりからぎゅうぎゅうと血液を絞り出そうとしていませんか?絞り出すことによって間質液が多く混じってしまい、結果に影響を与えることがあります。
対策としては、以下の方法があります。
- 採血部位をよく揉んであげて血行を良くする。
- 耳介脇の血管を駆血し、血管を突いて血液を採取。
※このとき血液が丸くふくらむのを待つ。 - ゲンタシン軟膏やワセリンを薄く塗布し、血液が弾かれて盛り上がるようにする。
人用の穿刺具については、パチン!と音がするため、ビックリさせてしまうおそれがあるので、注射針や穿刺具の針部分だけを使用されている先生もいらっしゃいました。両方を使い分けておられる先生は、耳元で何度か音を鳴らしてみて大丈夫そうなら穿刺具でする、とのことでした。ほんの少しの血液で、より正確なデータを出すためのコツとしてお役に立てれば幸いです。
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