今回は趣向を変えて、ヒトの糖尿病診療に関するお話が中心です。
より良い療養生活のためには、患者さん自身の意識付けが重要です。
飼い主さんも、獣医師さんとともに、治療に向き合っていけたらいいですね。
在宅自己血糖測定ってなぜ必要なの??
ヒトの糖尿病診療では、1986年に在宅自己血糖測定が保険適用になりました。それは1981年にインスリン自己注射の保険適用に次いで、その自己注射指導料の加算点数として算定が可能となったんですね。
その頃インスリン治療が必要な糖尿病といえば、自己免疫疾患である1型糖尿病がメインであり、インスリンアナログがまだ無い時代ですから、インスリンが全くでない本疾患の血糖コントロールはとても難しいものでした。インスリン治療における最も注意すべき事は低血糖です。これは薬剤の副作用であり、時に致命的ともいえる症状を誘発する可能性があるため、在宅におけるその確認の為必要だったわけです。
より良い血糖コントロールのために
平成28年度の国民栄養調査では、2型糖尿病人口が1,000万人を超え今では、糖尿病といえば生活習慣病を基盤とした疾患とのイメージを持たれる方が多いと思います。
2型糖尿病においても、在宅自己血糖測定は一部を除いて、インスリン治療指導料に対する加算点数です。
ただ、内服治療をされている方でも、近くの薬局などで自費購入して測定していらっしゃるかたもいらっしゃいます。
もちろん一部の内服薬においても低血糖のリスクはありますので、その確認に使用されている事も多いですが、日内変動が少ない良いコントロールを目指して、在宅で測定されている方もいらっしゃいます。
食事や運動に注意を払い、その努力の結果をご自身で確認するわけですね。
治療の主体は患者さん
治療は病院で医師に任せるものと思っている人は多いと思います。
急性期の疾患である心筋梗塞や悪性新生物「癌」はまさにそうですね。
ただ、そのような疾患の基盤として糖尿病が潜んでいることがわかってきています。
そして、生活習慣病のような慢性疾患においては、医師は治療のアドバイザーであり、治療の主体は患者さんの日常生活にあります。
それは人だけでなく、かわいいペットでも同じことが言えるのかと思います。
まとめ
動物においても一病息災。飼い主さんのペットに対する日ごろからの心遣いが大切です。
かわいい家族が、できるだけ長く、幸せに暮らせるように・・・。